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水鳥の青羽は色も変はらぬを
萩の下こそけしきことなれ

歌の意味
水鳥の青い羽は色も変わらないのに、萩の下葉のほうこそ、様子が変わってしまっている。
鑑賞
第二部 若菜上

 紫の上の「身に近く」の歌を受けて、源氏が返したのがこの歌である。自分の心は水鳥の羽のように変わらないと言い、むしろ変わったのはそちらではないかと軽く切り返している。しかし紫の上の疑いはこの一言で消えるものではなく、源氏自身、女三の宮を迎えたことで生じた歪みを承知している。以後、二人の間には表向き変わらぬ日常が続き、その水面下で紫の上の出家の願いが育っていく。

 「水鳥の青羽」は水鳥の青みを帯びた羽で、色の変わらぬもののたとえとして源氏自身を指す。「萩の下」は萩の下葉のことで、秋になると先に色を変える部分であり、紫の上を指している。相手の「移ろひにけり」を受けて「けしきことなれ」と返し、変わったのはどちらかを問い返す形になっている。同じ秋の景を用いながら、責める向きを入れ替える機知が働いており、贈答としては整っているが、相手の不安には答えていない点が読みどころである。

水鳥:水辺にすむ鳥。ここでは源氏自身。
青羽:青みを帯びた羽。色の変わらぬもの。
萩の下:萩の下葉。秋に先に色づく。ここでは紫の上。
けしきことなり:様子が違っている。
作者
紫式部
出典
源氏物語
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