深山木にねぐら定むるはこ鳥も
いかでか花の色に飽くべき
- 歌の意味
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深山の木に塒を定めているはこ鳥も、どうして花の色に飽きたりするだろうか。
- 鑑賞
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第二部 若菜上
柏木の「いかなれば」の歌を受けて、夕霧が返したのがこの歌である。父が紫の上を塒と定めているのは確かだが、それは女三の宮を軽んじているということではないと、やわらかに反論している。夕霧は柏木の問いの底にあるものを察しながら、それ以上は踏み込まず、話をそらして別れていく。柏木の思いはこの後も収まらず、小侍従を介して女三の宮へ文を送るに至る。若菜上の異名「はこ鳥」は、この歌に由来する。
「深山木」は奥山の木で、動かぬ拠りどころをたとえ、ここでは紫の上を指す。「はこ鳥」は箱鳥とも書かれる鳥の名で、相手の歌の「鴬」を受けた語であり、源氏を指している。「いかでか」は反語で、どうして飽きようかという打消の意になる。相手の鳥と花という景をそのまま用いながら、結論だけを反転させる構成であり、贈答歌としてきわめて手際がよい。夕霧の分別と、それでも押しとどめきれない柏木の執心とが、この対で明らかになる。
深山木:奥山の木。動かぬ拠りどころ。ここでは紫の上。
はこ鳥:鳥の名。ここでは源氏。
いかでか:どうして~か。反語で強い打消となる。
飽く:飽きる、満足して離れる。
異名:別の呼び名。
- 作者
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紫式部
- 出典
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源氏物語
- その他の歌
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