契り置かむこの世ならでも蓮葉に
玉ゐる露の心隔つな
- 歌の意味
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約束しておこう。この世だけでなく来世でも、蓮の葉に玉となって置く露のように、心を隔てることのないようにと。
- 鑑賞
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第二部 若菜下
紫の上の「消え止まる」の歌を受けて、源氏が返したのがこの歌である。命のはかなさを述べた相手に対し、この世に限らず来世までの契りを持ち出して引き止めようとしている。しかし紫の上が求めていたのは出家の許しであり、源氏はそれを認めようとしない。二人の願いはこの贈答においてもすれ違ったままである。この後、源氏は久しぶりに六条院の女三の宮を見舞い、そこで柏木の文を見つけることになる。
「契り置かむ」は約束しておこうということである。「この世ならでも」はこの世だけでなくの意で、来世までを含めている。「蓮葉に玉ゐる露」は蓮の葉に玉となって置く露のことで、相手の「蓮の露」をそのまま受け継いだ語である。極楽で同じ蓮の上に生まれ変わるという信仰を背景に持ち、はかなさの象徴であった露を、そのまま永遠の契りの象徴へ転じている。同じ景を用いて意味を反転させる、贈答歌の常道をよく踏まえた返しである。
契り置く:あらかじめ約束しておく。
この世ならでも:この世だけでなく。来世でも。
蓮葉:蓮の葉。
玉ゐる:玉となって置く。
心隔つ:心に隔てを置く、よそよそしくする。
- 作者
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紫式部
- 出典
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源氏物語
- その他の歌
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