憂き節も忘れずながら呉竹の
こは捨て難きものにぞありける
- 歌の意味
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つらい事情も忘れないままではあるが、この子はやはり捨てがたいものであったよ。
- 鑑賞
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第二部 横笛
朱雀院から贈られた筍が女三の宮の御方に置かれていたころ、源氏が訪ねてくる。生えかけた歯で筍をしゃぶり、こぼしながら這い回る薫の姿は、幼いながらも気品があり、目を離せない愛らしさであった。源氏は薫の出生の秘密を知りながら、その子を抱き上げずにいられない。この歌はその折の独詠に近い一首である。源氏はこの後、薫の面ざしに亡き柏木を見出し、自らの半生と重ね合わせて物思いに沈む。
「憂き節」はつらい出来事のことで、「節」は竹の節を意味し、「呉竹」の縁語となっている。「呉竹」は竹の一種で、贈られた筍から引き出された語である。「こは」は「これは」であるとともに「子は」を掛けており、筍と幼子とを一語で結んでいる。密通の子と知りながら、それでも捨てられないと言い切る内容であり、憎しみと情愛の入りまじった源氏の心が、竹という一つの景の中に収められている。
憂き節:つらい出来事。「節」は竹の節。
呉竹:竹の一種。「節」「子」の縁語をなす。
こは:「此は」に「子は」を掛ける。
筍:竹の若い芽。
面ざし:顔だち、面影。
- 作者
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紫式部
- 出典
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源氏物語
- その他の歌
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