横笛の調べはことに変はらぬを
むなしくなりし音こそ尽きせね
- 歌の意味
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横笛の調べは特に変わらないけれども、亡くなった人を悼んで泣く声のほうは尽きることがない。
- 鑑賞
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第二部 横笛
一条御息所の「露しげき」の歌を受けて、夕霧が返したのがこの歌である。形見として贈られた柏木の横笛を受け取りながら、笛の音は変わらないのに持ち主だけがいなくなったと述べ、亡き友への尽きない思いを言い表している。第三十七帖の巻名「横笛」は、この歌に由来する。夕霧はこの笛を持ち帰るが、その夜の夢に柏木が現れ、笛の行方をめぐって思いがけない言葉を残すことになる。
「調べ」は楽器の音色や調子のことである。「ことに」はとりわけての意であるが、「琴」を響かせる語でもあり、前の贈答から続く掛詞の流れを受けている。「むなしくなりし」は亡くなったということである。「音」は笛の音であるとともに「音を泣く」の泣き声を掛けており、変わらぬ楽器の音と尽きない涙とを対にしている。形見の品を受け取る挨拶でありながら、物と人との対比を一首に収めた、この巻を代表する歌である。
調べ:楽器の音色、調子。
ことに:とりわけて。「琴」を響かせる。
むなしくなる:亡くなる。
音:笛の音。「音を泣く」の泣き声を掛ける。
尽きせず:尽きることがない。
- 作者
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紫式部
- 出典
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源氏物語
- その他の歌
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