- 歌の意味
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自分の心から草の宿りを厭って捨てたけれども、それでもやはり鈴虫の声だけは古びることがない。
- 鑑賞
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第二部 鈴虫
女三の宮の「おほかたの」の歌を受けて、源氏が返したのがこの歌である。自分から世を厭って出家した身でありながら、鈴虫の声には心を残しているではないかと、宮の言葉をそのまま返して軽く突いている。同時に、宮の声や姿は出家後も少しも変わらず美しいという含みも読み取れる。この後、蛍兵部卿宮や夕霧が訪れて管絃の遊びとなり、六条院の一夜は思いがけずはなやかなものになっていく。
「心もて」は自分の心から、自分の意志でという意である。「草の宿り」は草深い仮の住まいのことで、この世の住まい、また虫の住む野の草をも指す。「厭ふ」はいとう、避けることで、出家を意味する。「ふりせぬ」は古びないということで、相手の歌の「ふり捨て」を受けつつ、鈴を「振る」の縁語ともなっている。同じ語をそのまま用いながら意味を転じる手際は、贈答歌の常道をよく踏まえたものである。
心もて:自分の心から、自分の意志で。
草の宿り:草深い仮の住まい。この世の住まい。
厭ふ:いとう、避ける。出家する意。
ふりせぬ:古びない。鈴を「振る」を掛ける。
管絃:楽器を合わせて奏する遊び。
- 作者
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紫式部
- 出典
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源氏物語
- その他の歌
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