月影は同じ雲居に見えながら
わが宿からの秋ぞ変はれる
- 歌の意味
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月の光は昔と同じ空に見えているけれど、わが宿のありようによって、秋のさまは変わってしまった。
- 鑑賞
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第二部 鈴虫
冷泉院の「雲の上を」の歌を受けて、源氏が返したのがこの歌である。月は変わらないが、自分のほうがすっかり変わってしまったと述べ、招きに応じる意を示している。源氏はこの後、親王や公達を引き連れて冷泉院の御所へ参上し、夜通し詩歌管絃を楽しむ。冷泉院は源氏の来訪を大いに喜んだ。この巻はこの後、秋好中宮が母六条御息所の後世を案じて出家を望み、源氏がそれをたしなめる場面へと進んでいく。
「月影」は月の光のことである。「同じ雲居」は変わらぬ空のことで、相手の歌の「雲の上」を受けた語である。「わが宿から」は我が家のありようによってという意で、「から」は原因や由来を表す。「秋ぞ変はれる」は秋のさまが変わってしまったということで、「秋」に「飽き」を響かせる読みもある。変わらぬ月と変わってしまった我が身とを対に置く構成は、この時期の源氏の歌に繰り返し見られるもので、老いの自覚がそのまま述べられている。
月影:月の光。
雲居:空。また宮中。
から:~によって。原因や由来を表す。
秋ぞ変はれる:秋のさまが変わってしまった。
秋好中宮:六条御息所の娘。冷泉院の后。
- 作者
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紫式部
- 出典
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源氏物語
- その他の歌
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