せくからに浅さぞ見えむ山川の
流れての名をつつみ果てずは
- 歌の意味
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堰き止めるからこそ浅さが見えてしまうだろう。山川の流れのように、後々の評判を隠しきれないのなら。
- 鑑賞
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第二部 夕霧
落葉の宮からの返事が得られないまま、夕霧はふたたび小野へ文を送る。拒み続けたところで噂はすでに立っているのだから、かえって浅い仲と見られるだけだと述べ、宮に態度を改めるよう迫っている。この文は宮の手には渡らず、病床の一条御息所が目にすることになった。御息所は夕霧の真意を確かめようと、病をおして自ら筆を執り、返書をしたためる。
「せく」は堰き止めることで、水をせき止める意から、思いを拒む意へと転じている。「浅さ」は水の浅さと心の浅さとを掛けている。「山川」は山あいを流れる川で、「せく」「浅さ」「流れ」の縁語をなす。「流れての名」は後々まで流れていく評判のことで、「流れ」が川の縁語となっている。水の景を一首に通しながら、拒めば拒むほど関係が軽く見られると説く構成であり、理屈で押し切ろうとする夕霧の詠みぶりがここでも変わらない。
せく:堰き止める。拒む意を掛ける。
浅さ:水の浅さと心の浅さを掛ける。
山川:山あいを流れる川。
流れての名:後々まで伝わる評判。
返書:返事の手紙。
- 作者
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紫式部
- 出典
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源氏物語
- その他の歌
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