秋の野の草の茂みは分けしかど
仮寝の枕結びやはせし
- 歌の意味
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秋の野の草の茂みを分けて訪ねはしたけれど、仮寝の枕を結ぶようなことはしていない。
- 鑑賞
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第二部 夕霧
一条御息所からの文は、夕霧のもとへ届いたところを雲居雁に奪われて隠されてしまった。夕霧はその夜、文を見ないまま過ごし、翌日ひぐらしの声に驚いてようやく取り戻して読む。小野ではさぞ霧が立ちこめていようと気づいた夕霧は、あわてて返事を書き送った。この歌はその返書に添えられたものである。しかし返事はすでに遅く、御息所は夕霧の心変わりを疑ったまま、まもなく息を引き取ってしまう。
「秋の野の草の茂み」は草の生い茂った秋の野で、相手の歌の「野辺」を受けた語である。「分けしかど」は分けて訪れはしたけれどの意である。「仮寝の枕結び」は旅先で草を結んで枕とすることから、一夜の契りを交わすことをたとえる言い方である。「やはせし」は決してしていないという反語である。相手の景をそのまま用いながら、事実として何もなかったと弁明する構成であり、誠実な返答ではあるものの、届いたときにはもはや手遅れであった。
草の茂み:草の生い茂った所。
分く:草や霧を分けて進む。
仮寝の枕を結ぶ:旅先で草を結び枕とする。一夜の契りをいう。
やはせし:決してしていない。反語。
ひぐらし:夕暮れに鳴く蝉。
- 作者
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紫式部
- 出典
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源氏物語
- その他の歌
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