いづれとか分きて眺めむ消えかへる
露も草葉のうへと見ぬ世を
- 歌の意味
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どちらと区別して眺めようか。消えてはまた結ぶ露も、草葉の上だけのことではないと思うこの世なのに。
- 鑑賞
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第二部 夕霧
雲居雁の「あはれをも」の歌を受けて、夕霧が返したのがこの歌である。生きている人か亡くなった人かと問われても、この世の無常はどちらとも分けられるものではないと述べ、落葉の宮への思いをはぐらかしている。雲居雁はこの答えに納得せず、夫への疑いをいっそう深める。やがて夕霧が落葉の宮を一条宮へ連れ戻すに至り、二人の仲は決定的に壊れていくことになる。
「いづれとか分きて」はどちらと区別してということで、相手の二者択一をそのまま受けている。「消えかへる露」は消えてはまた結ぶ露のことで、はかない命をたとえる。「草葉のうへと見ぬ世」は、露が置くのは草葉の上だけではないという意で、人の身の上にも同じことが起きる無常の世を指す。無常という大きな話に転じることで個別の問いを避ける構成であり、答えているようで答えていない点にこそ、この贈答の本質がある。
いづれとか分く:どちらと区別する。
消えかへる:消えては繰り返しまた結ぶ。
草葉のうへ:草の葉の上。
見ぬ世:そうは見えない世の中。
無常:すべてが移り変わり定まらないこと。
- 作者
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紫式部
- 出典
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源氏物語
- その他の歌
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