薪こる思ひは今日を初めにて
この世に願ふ法ぞはるけき
- 歌の意味
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薪を樵るような仏道への思いは今日を初めとして、この世で願う仏の教えの道は、この先も遠く長く続くことだろう。
- 鑑賞
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第二部 御法
紫の上の「惜しからぬ」の歌を受けて、明石の君が返したのがこの歌である。命の終わりを詠んだ相手に対し、仏道への願いは今日から始まって末長く続くのだと述べ、長寿を祈る形で励ましている。明石の君は娘の明石の中宮を紫の上に託して育ててもらった間柄であり、二人の関係は長い年月をかけて穏やかなものになっていた。しかし紫の上の予感どおり、この法会が二人の最後の対面となる。
「薪こる」は薪を樵ることで、相手の歌の「薪」を受けるとともに、仏道修行のために薪を拾い水を汲むという経文の行いを踏まえている。「思ひ」の「ひ」に「火」を掛け、「薪」の縁語となっている。「この世に願ふ法」はこの世で願い求める仏の教えのことである。「はるけき」は遠く長く続くさまをいう。相手が終わりを詠んだのに対し、始まりと永続を詠んで返す構成であり、慰めの歌としてよく整っている。
薪こる:薪を樵る。仏道修行のための行い。
思ひ:「火」を掛ける。「薪」の縁語。
この世:現世。
法:仏の教え。
はるけし:遠く長く続いている。
- 作者
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紫式部
- 出典
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源氏物語
- その他の歌
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