つれづれとわが泣き暮らす夏の日を
かことがましき虫の声かな
- 歌の意味
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することもなく泣き暮らしているこの夏の日を、まるで私のせいだと言いたげに鳴く虫の声であることよ。
- 鑑賞
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第二部 幻
夏になり、源氏はいよいよ人を寄せつけず、ひとり泣き暮らす日を重ねる。夕暮れになるとひぐらしが鳴きしきり、その声が自分の泣き声に重なって聞こえてくる。この歌はその折の独詠歌である。幻の巻には、こうして季節の音や光にふれるたびに源氏がこぼす独詠が並べられ、それが一年の時の流れをそのまま刻んでいく。ひとりの人物の喪の過程をこれほど細かく追う章段は、源氏物語の中でもこの巻だけである。
「つれづれと」はすることもなく、所在なくという意である。「泣き暮らす」は一日中泣いて過ごすことである。「かことがましき」は言いがかりをつけているようだ、恨みがましいという意である。「虫の声」はひぐらしなど夏に鳴く虫の声を指す。自分の嘆きが虫にまで移ったかのように詠む構成で、外の音を自分の心の延長として受け取っており、悲嘆に閉ざされた者の感覚がよく写し取られている。
つれづれと:することもなく、所在なく。
泣き暮らす:一日中泣いて過ごす。
かことがまし:言いがかりをつけているようだ。
虫の声:虫の鳴き声。ここではひぐらし。
喪:近親者の死後、身を慎む期間。
- 作者
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紫式部
- 出典
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源氏物語
- その他の歌
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