- 歌の意味
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大空を行き来する幻術士よ、夢にさえ現れてくれない魂の行方を尋ねてくれ。
- 鑑賞
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第二部 幻
秋も深まり、時雨がちな空を眺めながら、源氏は亡き紫の上のことを思い続けていた。夢にせめて一度でも現れてくれればと願うが、それさえ叶わない。この歌はその折の独詠歌であり、第四十一帖の巻名「幻」はこの一首に由来する。桐壺の巻で、桐壺帝が亡き更衣を思って「尋ねゆく幻もがな」と詠んだのと同じ語が用いられており、物語の初めと終わりが一つの言葉で結ばれる形になっている。
「大空をかよふ幻」は大空を行き来する幻術士のことで、白居易の長恨歌に見える方士を踏まえている。玄宗皇帝が方士に楊貴妃の魂を探させたという故事が背景にある。「夢にだに」は夢にさえもという意である。「見えこぬ魂」は姿を見せてくれない魂のことである。「行方たづねよ」は行き先を尋ねてくれという命令である。異国の故事を借りながら、亡き人に会えぬ嘆きをそのまま述べており、源氏最晩年の歌の中でも屈指の一首である。
幻:幻術士。魂の行方を探る術者。
かよふ:行き来する。
だに:~さえも。
行方:行き先。
長恨歌:白居易の詩。玄宗皇帝と楊貴妃を描く。
- 作者
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紫式部
- 出典
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源氏物語
- その他の歌
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