千世の春見るべき花と祈りおきて
わが身ぞ雪とともにふりぬる
- 歌の意味
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千年の春を見るはずの花だと祈っておいて、私自身の身は雪とともに古びてしまったことだ。
- 鑑賞
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第二部 幻
源氏の「春までの」の歌を受けて、仏名会の導師が返したのがこの歌である。あなたは千年の春を見るはずの花だと祈り申し上げたが、自分の身はすっかり老いてしまったと述べ、源氏の長寿を願いながら自らの衰えを添えている。この導師は長年六条院の法会を務めてきた僧であり、源氏の一生をそばで見てきた人でもある。この贈答が終わると、物語はいよいよ年の暮れの一日へと進み、源氏最後の歌が置かれることになる。
「千世の春」は千年の春のことで、限りない長寿を表す。「見るべき花」は見るはずの花で、源氏そのひとを指す。「祈りおきて」は祈っておいてという意である。「わが身ぞ雪と」は自分の身こそ雪とともにということで、白髪を雪に重ねている。「ふりぬる」は古びてしまったということで、「ふる」に雪が「降る」を掛け、「雪」の縁語をなしている。相手の歌の「雪」「春」をそのまま受け取りながら、老いという主題へ転じた丁重な返しである。
千世:千年。限りなく長い年月。
見るべき花:見るはずの花。ここでは源氏。
祈りおく:祈っておく。
ふりぬる:古びてしまった。「降る」を掛ける。
白髪:年老いて白くなった髪。
- 作者
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紫式部
- 出典
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源氏物語
- その他の歌
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