竹河に夜をふかさじといそぎしも
いかなるふしを思ひおかまし
- 歌の意味
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竹河を歌って夜を更かすまいと急いで帰られたのは、どのような思いを残していかれたというのだろうか。
- 鑑賞
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第三部 竹河
薫の文に対し、藤侍従が返したのがこの歌である。まことに幼い詠みぶりで、昨夜は水駅だとおっしゃって早々にお帰りになったのを皆が咎め申していたようです、と書き添えてある。この一節をきっかけにして、薫は藤侍従の曹司に出入りしては姫君への心を見せるようになり、蔵人少将が案じたとおり、邸の人々は皆この人に心を寄せていくことになる。藤侍従もまた、近い血筋であるから明け暮れ親しくしたいと幼な心に思うのであった。
相手の「ひとふし」を「ふし」で受けて返しており、竹河の縁語を引き継いでいる。「夜をふかさじ」は、夜を更かすまいという意で、薫が水駅だと言って早々に立ち去ったことを指す。深い心を知ったかと問われたのに対し、そんなに急いで帰ってしまったのにどのような思いを残していかれたのか、と問い返した形である。理屈としては素直だが技巧に乏しく、地の文で幼いと評されるとおりの詠みぶりであり、玉鬘が薫の筆跡を褒めて息子たちをけなす場面とも響き合っている。
夜をふかす:夜遅くまで起きている。
いそぐ:急ぐ。ここでは早々に帰ること。
ふし:竹の節。転じて事の折、事柄。
思ひおく:心に思い残す。
水駅:行事の途中で酒食をふるまう休息所。
- 作者
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紫式部
- 出典
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源氏物語
- その他の歌
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