- 歌の意味
- そういう心があって池の水際に落ちる花よ、泡となってでもこちら側に寄ってきなさい。
- 鑑賞
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第三部 竹河
勝方である中の君に仕える女房、大輔の君が詠んだのがこの歌である。花は池の水際に散り落ちている。この歌に応じて、勝方の女童が庭に下りて散った花びらを多く拾い集め、持って参上して次の歌を詠む。
「みぎは」は水際のことで、同時に「右は」を掛けている。碁の勝負では右方が中の君の側であるから、落ちた花に、右のこちら側へ寄れと呼びかける形になっている。「心ありて」も、直前の中の君の歌を受けてそういう気持ちがあってという意と、風流を解する心があってという意とを重ねる。「あわ」は水の泡で、古今集の菅野高世の「枝よりもあだに散りにし花なれば落ちても水の泡とこそなれ」を踏まえる。掛詞と引歌を一首に畳み込んだ、女房らしく技巧の勝った歌である。
みぎは:水際。ここに「右は」を掛ける。
あわ:水の泡。
わが方:自分の側。ここでは碁の右方。
大輔の君:中の君に仕える女房。
- 作者
- 紫式部
- 出典
- 源氏物語
- その他の歌