わりなしやつよきによらむ勝負を
心ひとつにいかがまかする
- 歌の意味
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無理なことを。強い方によるはずの勝ち負けを、あなたの心ひとつでどうして負かせるというのか。
- 鑑賞
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第三部 竹河
人に負けまいとする心が抑えられないと言った蔵人少将に、中将のおもとが笑って返したのがこの歌である。少将にとっては、これに答えられるのさえつらいことであった。少将はさらに一首を返し、二人は泣いたり笑ったりして語らい明かすことになる。
「まかする」は「負かする」と「任する」との掛詞で、勝負を任せるという意と、負かすという意とを一つの語に畳んでいる。「つよき」「勝負」も碁の縁語で、相手の歌の言葉遣いをそのまま受けて返している。勝ち負けは強い方に決まるもので、あなたの気持ち一つでどうにかなるものではない、という理屈を突きつけており、冷泉院に勝てるはずもないという現実を、碁になぞらえて言い渡した形になっている。女房らしい機知の勝った切り返しである。
わりなし:無理である。道理に合わない。
つよき:強い方。碁の腕の勝る側。
まかす:任せる。ここに「負かす」を掛ける。
掛詞:一語に二つの意味を持たせる技法。
- 作者
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紫式部
- 出典
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源氏物語
- その他の歌
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