- 歌の意味
- 山風に霞を吹き払うような音は聞こえるけれども、隔たったまま見えている遠くの白波であることよ。
- 鑑賞
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第三部 椎本
正月の末、匂宮は初瀬詣の帰りに宇治の夕霧の別荘へ立ち寄り、管絃の遊びを催した。川向こうの八の宮はその音を聞きつけ、都から来た若い人々へ向けて一首を届ける。これに匂宮が返し、宇治の八の宮と都の貴公子たちとの交渉がここから始まる。
「霞吹きとく」は春霞を吹き解く意で、笛の音の澄んだ響きをいう。「遠方」は宇治にあった地名で、遠くの意を掛ける。「白波」は川面に立つ波で、間に横たわる宇治川の隔たりを示す。音は届くのに姿は遠いという構図が、都と山里、栄華と零落という椎本の巻の対比をそのまま形にしている。
吹きとく:吹いて解きほぐす。吹き払う。
声:ここでは笛などの音。
遠方:遠く。宇治の地名を掛ける。
白波:川面に立つ白い波。
- 作者
- 紫式部
- 出典
- 源氏物語
- その他の歌