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つららとぢ駒ふみしだく山川を
しるべしがてらまづや渡らむ

歌の意味
氷に閉ざされて馬が踏み砕いていく山川を、道案内をするついでに、まず私が渡ってしまおうか。
鑑賞
第三部 椎本

 大君の歌に対する薫の返しである。匂宮を宇治へ導く案内役を務めながら、その前に自分が先に川を渡りたいという。後見という立場を守りつつ、大君への思いを抑えきれずにいる薫の心が、川を渡るという行為に託されている。

 「つらら」はここでは氷のこと。「駒ふみしだく」は馬が氷を踏み砕いて進むさまで、相手の「ふみかよふ」を受けている。「しるべしがてら」は道案内をするついでにの意で、匂宮の仲立ちを指す。「まづや渡らむ」は人より先に自分が渡ろうという含みを持ち、大君との仲を先に結びたいという気持ちを言外に示している。

つらら:氷。

とづ:閉ざす。

ふみしだく:踏み砕く。

しるべ:道案内。案内人。
作者
紫式部
出典
源氏物語
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