- 歌の意味
- 雪の深い水際の小芹を、誰のために摘んで喜べばよいのだろう。親のない身であってみれば。
- 鑑賞
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第三部 椎本
姉の蕨の歌に続けて、妹の中の君が詠んだ一首である。阿闍梨から届いた芹を前にして、供えるべき父がもういないことを嘆いている。二首の唱和はここで結ばれ、宇治の姉妹の孤独が読者に強く印象づけられたところで、場面は春へと移っていく。
「汀の小芹」は水際に生える芹で、蕨とともに春の山菜である。「小芹」の「こ」に「子」を響かせ、下の句の「親なし」と一対をなす。「摘みかはやす」は摘んで賞美することで、贈り物を喜んで受けることをいう。喜ぶべき相手を失った以上、季節の恵みも意味を持たないという嘆きが、親と子という対の語によって支えられている。
汀:水際。
小芹:芹の美称。「子」を響かせる。
かはやす:もてはやす。賞美する。
親なし:親のない身。
- 作者
- 紫式部
- 出典
- 源氏物語
- その他の歌