- 歌の意味
- 山姫が色を染め分ける心はわからないけれども、色が移っていくほうこそ深いのだろう。
- 鑑賞
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第三部 総角
薫の紅葉の歌に対する大君の返しである。深い色になるのは移り変わるほうだと述べて、薫の心もやがて妹へ移るだろうと示唆している。妹を薫に嫁がせたい大君の意向が、この返歌にははっきりとあらわれている。
相手の「山姫」「深き色」をそのまま受け取り、「移ろふ」の一語で意味をずらしている。「移ろふ」は色が変わる意と心変わりの意を掛け、紅葉が濃くなることと心が他へ移ることとを重ねる。求愛を退けつつ妹をすすめるという二重の意図が、色の濃淡という一つの比喩で処理されている。
山姫:山の紅葉を染めるという女神。
わく:見分ける。理解する。
移ろふ:色が変わる。心変わりする。
深し:色が濃い。思いが深い。
- 作者
- 紫式部
- 出典
- 源氏物語
- その他の歌