- 歌の意味
- 道案内をした私のほうがかえって迷うことになるのだろうか。思うようにならぬまま帰る、明け方の薄暗い道で。
- 鑑賞
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第三部 総角
薫は匂宮を宇治へ連れて行き、中の君のもとへ導いた。自分は大君のもとで一夜を過ごしたものの、思いは遂げられぬままである。明け方、心の晴れぬままに詠まれたのがこの歌で、大君がこれに返す。姉妹の運命はこの一夜を境に大きく動き出す。
「しるべ」は道案内で、匂宮を導いた自分の役割を指す。「かへりて」は反対にの意に「帰る」を響かせる。「心もゆかぬ」は思うようにならないことで、「行かぬ」と掛けて道の縁語となる。人のために働いて自分だけが取り残されるという構図が、明けぐれの道という景に重ねられている。
しるべ:道案内。
かへりて:かえって。「帰る」を掛ける。
心もゆかず:満足がいかない。
明けぐれ:夜明け前の薄暗さ。
- 作者
- 紫式部
- 出典
- 源氏物語
- その他の歌