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中絶えむものならなくに橋姫の
片敷く袖や夜半に濡らさむ

歌の意味
仲が絶えてしまうわけでもないのに、橋姫のようにあなたは独り寝の袖を、夜中に涙で濡らすのだろうか。
鑑賞
第三部 総角

 母明石の中宮に外出を禁じられ、匂宮は宇治へ通えなくなる。訪れの絶えたことを気にかけて贈った歌である。中の君はこれに返すが、待つばかりの日々は続き、その様子を見る大君の心労はいよいよ募っていく。

 「中絶ゆ」は仲が絶えることで、「中」に宇治橋の中ほどを響かせる。「橋姫」は宇治橋の女神で、橋姫巻以来、待ち続ける女の姿を表す語である。「片敷く袖」は独り寝の衣で、古今集の「さむしろに衣かたしき今宵もや我を待つらむ宇治の橋姫」を下敷きにする。橋の一語で隔たりと結びつきの両方が示されている。

中絶ゆ:仲が絶える。

橋姫:宇治橋を守る女神。

片敷く:衣の片袖を敷いて独り寝する。

夜半:夜中。
作者
紫式部
出典
源氏物語
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