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若草のね見むものとは思はねど
むすぼほれたる心地こそすれ

歌の意味
若草のように共寝をしようと思うわけではないが、気持ちが晴れずふさぎこんでいる心地がする。
鑑賞
第三部 総角

 宇治へ通うことを禁じられた匂宮は、都で鬱々と日を送っていた。その気晴らしに、同母姉である女一の宮のもとへ書き送った戯れめいた一首である。宇治の中の君を思いながらも動けずにいる焦りが、身近な相手への冗談まじりの言葉となってあらわれている。

 「若草の」は「ね」にかかる枕詞である。「ね」は「寝」と「根」の掛詞で、若草の根と共寝とを重ねる。「むすぼほる」は草木が結ぼれ絡むさまと、心がふさぐさまとを掛け、若草の縁語となる。恋を口にしながらそれを打ち消すという言い方に、行き場のない思いを抱えた匂宮の落ち着かなさが出ている。

若草の:「ね」にかかる枕詞。

ね:寝ること。「根」を掛ける。

むすぼほる:もつれ絡む。心がふさぐ。

心地:気持ち。感じ。
作者
紫式部
出典
源氏物語
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