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暁の霜うち払ひ鳴く千鳥
もの思ふ人の心をや知る

歌の意味
明け方の霜を払って鳴く千鳥は、物思いに沈む人の心を知っているのだろうか。
鑑賞
第三部 総角

 薫の千鳥の歌に対する中の君の返しである。千鳥が自分たちの心を察して鳴いているのだろうかと述べ、悲しみを分かってくれる薫への感謝をにじませている。姉の病を案じる中の君の心細さが、静かな問いかけの形で伝えられている。

 「霜うち払ふ」は羽で霜を払うさまで、寒さのなかの千鳥の姿を具体的に描く。「もの思ふ人」は自分たち姉妹を指す。「や知る」は疑問で、鳥に問いかける形をとることによって、誰にも訴えられぬ心細さが際立つ。相手の「千鳥」をそのまま受け継ぐ、素直で行き届いた返歌である。

暁:夜明け前。

うち払ふ:払いのける。

もの思ふ:思い悩む。

や知る:知っているのだろうか。
作者
紫式部
出典
源氏物語
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