- 歌の意味
- 空が曇って日の光も見えない奥山で、心を暗くして過ごすこのごろであることよ。
- 鑑賞
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第三部 総角
十一月、宇治を見舞った薫は大君の衰えように驚き、そのまま留まって献身的に看病する。祈祷を重ね、食事を勧めても効なく、日ごとに弱っていく姿を前にして詠まれた独詠である。この直後、大君は薫に看取られて息を引きとることになる。
「かき曇り」は一面に曇ること。「日かげ」は日の光で、希望のたとえともなる。「心をくらす」は心を暗くして日を送る意で、「暮らす」を掛ける。外の暗い空と内の暗い心とが同じ語で結ばれ、快方への望みが断たれていく時間そのものが、一首のうちに写し取られている。
かき曇る:一面に曇る。
日かげ:日の光。
奥山:人里離れた深い山。
心をくらす:心を暗くして過ごす。「暮らす」を掛ける。
- 作者
- 紫式部
- 出典
- 源氏物語
- その他の歌