- 歌の意味
- 過ぎ去ったことを思い出してみても頼りないのに、行く末までかけて何を頼みにすればよいのだろう。
- 鑑賞
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第三部 総角
大君の死後、匂宮は宇治を訪ね、中の君に変わらぬ愛を誓う。しかし言い慣れた口ぶりに接した中の君は、それを素直に信じることができない。姉を苦しめた原因が匂宮にあったことも忘れがたく、この返しには冷えた心がのぞいている。
「来し方」は過ぎ去った時、「行く末」はこれから先で、対をなす語である。「はかなし」は頼りにならないの意。過去が当てにならなかった以上、未来の約束も信じられないという、経験に裏打ちされた拒み方である。父と姉を失った中の君が、ひとりで世を渡り始める地点がここに示されている。
来し方:過ぎ去った時。
行く末:これから先。
はかなし:頼りにならない。
頼む:あてにする。
- 作者
- 紫式部
- 出典
- 源氏物語
- その他の歌