- 歌の意味
- 見る人が言いがかりをつけてくる花の枝は、気をつけて折るべきだった。
- 鑑賞
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第三部 早蕨
匂宮の紅梅の歌に対する薫の返しである。花を折ったせいで妙な疑いをかけられたと、冗談めかして受け流している。実のところ、薫は大君を失った悲しみから抜けきれず、その面影を中の君に見ていたのだから、匂宮の疑いは的を外していない。薫はその内心を明かさぬまま、二月上旬に決まった中の君の上京の支度に、後見人として細やかに心を配っていく。
「かこと」は言いがかり、こじつけの恨み言をいう。「寄せける」は寄せられたということで、相手から難癖をつけられた意である。「心してこそ折るべかりけれ」は、注意して折るべきだったという後悔の形をとりながら、疑いそのものを軽く笑ってみせる言い方になっている。相手の「折る」をそのまま受け取って返す型が守られており、薫らしい抑えのきいた応じ方である。
かこと:言いがかり。こじつけの恨み言。
寄す:寄せる。しかける。
心す:気をつける。用心する。
べかりけれ:…すべきであった。
- 作者
- 紫式部
- 出典
- 源氏物語
- その他の歌