- 歌の意味
- 大空の月さえ宿るこの私の家に、待つ宵は過ぎたのに姿の見えないあなたであることよ。
- 鑑賞
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第三部 宿木
夕霧はかねてから娘の六の君を匂宮に嫁がせたいと願っており、明石の中宮の説得によって匂宮もついに承諾した。八月、婚儀の夜、夕霧は支度を整えて待ったが、匂宮は中の君のもとを離れがたく、なかなか現れない。待ちかねた夕霧が催促として贈ったのがこの歌である。匂宮はようやく出向き、六の君との結婚が成って、中の君は深く嘆くことになる。
「大空の月だに宿る」は、月さえ立ち寄るほど立派な邸だという自賛で、「宿る」が下の「わが宿」を導く。「待つ宵」は人を待つ夜のことで、婚儀の夜を指す。月を持ち出して家格を誇りながら、来ない相手を責める構えになっており、権勢家である夕霧の押しの強さがうかがえる。婚儀の当夜に催促の歌を送るという場面自体が、この縁組の性格をよく示している。
大空:広い空。
だに:…さえ。
宿る:立ち寄って泊まる。
待つ宵:人を待つ夜。
君:あなた。ここでは匂宮。
- 作者
- 紫式部
- 出典
- 源氏物語
- その他の歌