- 歌の意味
- 帝の插頭にと折ろうとして、藤の花の手の届かない枝に袖をかけてしまった。
- 鑑賞
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第三部 宿木
二月、薫は今上帝の女二の宮を妻として迎えた。四月、藤壺で藤の花の宴が催され、帝も臨席して唱和が交わされる。その最初に薫が詠んだのがこの歌である。身に過ぎた高貴な姫君を賜ったことへの畏れを、藤の花に託して述べている。続いて帝、夕霧、紅梅大納言が唱和し、宴はにぎやかに進むが、薫の心はなお宇治にあった。
「すべらき」は天皇のことで、「かざし」は髪や冠に挿す花である。「及ばぬ枝」は手の届かない高い枝で、女二の宮の高い身分をいう。「袖かけてけり」は袖をかけたということで、思わず身にあまるものに手を伸ばしてしまったという含みを持つ。巻の初めに「世の常の垣根に匂ふ花ならば」と述べた遠慮が、そのまま結婚後の畏れとして繰り返されている。
すべらき:天皇。
かざし:髪や冠に挿す花や枝。
及ばぬ枝:手の届かない高い枝。
袖をかく:袖をかけて手を伸ばす。
- 作者
- 紫式部
- 出典
- 源氏物語
- その他の歌