貌鳥の声も聞きしにかよふやと
茂みを分けて今日ぞ尋ぬる
- 歌の意味
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貌鳥の声が昔聞いた声に似ているだろうかと、草の茂みを分けて今日訪ねて来たのだ。
- 鑑賞
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第三部 宿木
弁の尼から浮舟の話を聞いた薫は、その娘に会いたいと思い続けていた。宇治の御堂の様子を見に下った日、初瀬詣の帰りに山荘へ立ち寄っていた浮舟の一行と行き合わせ、弁の尼の手引きで浮舟の姿を垣間見る。その顔が亡き大君に生き写しであることに心を奪われ、詠んだのがこの独詠である。宿木の巻はここで閉じられ、物語は東屋の巻へと引き継がれていく。
「貌鳥」は実体のはっきりしない鳥の名で、一説にはカッコウとされる。ここでは「かほ」の音を生かして、顔の似ていることを言い含める用い方になっている。「聞きしにかよふや」はかつて聞いた声に通じるだろうかということで、大君の面影を尋ねる心を表す。「茂みを分けて」は草を踏み分けて訪ねることで、荒れた山荘への道行きをそのまま示している。
貌鳥:実体不明の鳥の名。「顔」の音を掛ける。
かよふ:似通う。通じる。
茂み:草木の茂ったところ。
分く:踏み分けて進む。
尋ぬ:訪ねる。探し求める。
- 作者
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紫式部
- 出典
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源氏物語
- その他の歌
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