さしとむる葎やしげき東屋の
あまりほど降る雨そそきかな
- 歌の意味
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戸口をふさぐ葎が茂っているのだろうか。東屋の軒であまりに長く待たされ、雨だれに濡れることだ。
- 鑑賞
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第三部 東屋
九月十二日ごろの雨の夜、薫は弁の尼を先に遣わしたうえで、浮舟の隠れ住む三条の小家を訪ねた。突然のことに家の者はうろたえ、なかなか薫を招き入れることができない。粗末な簀子の端に腰を下ろし、万葉集の「佐野のわたりに家もあらなくに」を口ずさみながら詠んだのがこの歌である。この一首が巻名「東屋」の由来であり、翌朝、薫は浮舟を車に乗せて宇治へ連れて行くことになる。
「さしとむる」は戸口をふさぐこと。「葎」は生い茂るつる草で、荒れた住まいを表す常套の語である。「東屋」は屋根を四方に葺きおろした粗末な家で、東国育ちの浮舟とこの小家とを重ねている。「あまり」は軒の意と、あまりにの意とを掛ける。催馬楽「東屋」の歌詞を踏まえており、戸を開けてほしいと男が求める内容が、そのまま場面と重なっている。
さしとむ:戸をふさぐ。閉ざす。
葎:生い茂るつる草。
東屋:屋根を四方に葺きおろした粗末な家。
あまり:軒。「あまりに」を掛ける。
雨そそき:軒から落ちる雨だれ。
- 作者
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紫式部
- 出典
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源氏物語
- その他の歌
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