宿り木は色変はりぬる秋なれど
昔おぼえて澄める月かな
- 歌の意味
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宿り木は色が変わってしまった秋だけれども、昔が思い出されるように澄んでいる月であることよ。
- 鑑賞
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第三部 東屋
宇治に着いた夜、薫は久しぶりに琴と箏を取り出して爪弾き、亡き八の宮の音色を思い出していた。月が出るころ、弁の尼のもとから紅葉と蔦を折り敷いた箱の蓋に果物が届けられ、その敷紙に太い筆で書かれていたのがこの歌である。薫はこれを恥ずかしくもしみじみとも思い、返しの歌を口ずさむ。以後、浮舟は宇治に置かれたまま、薫の訪れを待つ日々に入っていく。
「宿り木」は前年の秋に薫と弁の尼が交わした宿木巻の贈答を踏まえた語で、色が変わったとは、通ってくる相手が大君から浮舟に替わったことを暗に言う。「澄める月」は薫のたとえで、「澄む」に「住む」を掛ける。老女房らしい古風な筆跡と詠みぶりだが、事情のすべてを承知したうえで婉曲に言い当てており、宇治に残された者の目の確かさがうかがえる。
宿り木:木に寄生する植物。宿とする木。
色変はる:色が変わる。相手が替わる意を含む。
昔おぼゆ:昔が思い出される。
澄む:澄む。「住む」を掛ける。
- 作者
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紫式部
- 出典
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源氏物語
- その他の歌
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