- 歌の意味
- 宇治橋のように末長い約束は朽ちはしないのだから、危ういほうにばかり心を騒がせるな。
- 鑑賞
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第三部 浮舟
二月上旬、薫はひさしぶりに宇治を訪れた。匂宮との一件を隠している浮舟は後ろめたさに沈むが、薫はそれを女として成長したしるしと取り違えて喜び、京へ迎える支度が整いつつあることを告げる。その折に詠まれたのがこの歌である。浮舟はこれに返すが、その返しには不安がにじんでおり、薫はそこにも気づかない。
「宇治橋」は長大で古い橋として知られ、末長い契りのたとえに用いられる。「朽ちせじ」は朽ちはしないの意で、橋の縁語である。「危ぶむ方」は不安に思うほうのことで、相手をなだめる言い方になっている。安心せよという言葉が、事情を知らぬがゆえに空回りしている点が、この場面の皮肉である。
宇治橋:宇治川に架かる長大な橋。
契り:約束。
朽つ:朽ちる。橋の縁語。
危ぶむ:不安に思う。
心騒ぐ:心が乱れる。
- 作者
- 紫式部
- 出典
- 源氏物語
- その他の歌