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絶え間のみ世には危ふき宇治橋を
朽ちせぬものとなほ頼めとや

歌の意味
途切れてばかりで世に危ういと言われる宇治橋なのに、朽ちないものだとやはり頼りにせよとおっしゃるのか。
鑑賞
第三部 浮舟

 薫の宇治橋の歌に対する浮舟の返しである。橋には絶え間があって危ういように、あなたの訪れも絶えがちで頼りにならないと言い返している。だが実際には、匂宮との関係を隠したまま薫に応じている自分の危うさこそが歌の裏にある。薫はこれを訪れの少なさへの恨み言と受け取り、浮舟の胸のうちには気づかない。

 相手の「宇治橋」「朽ちせじ」をそのまま受けて返す、型の整った返歌である。「絶え間」は橋の途切れた箇所であるとともに、訪れの絶える間を掛ける。「危ふき」は橋の危うさと身の危うさとを兼ねる。表向きは訪れの少なさを恨む歌だが、読者にはそのまま浮舟自身の立場の言い当てとして響く一首である。

絶え間:途切れた箇所。訪れの絶える間。

危ふし:危険である。頼りない。

宇治橋:宇治川に架かる長大な橋。

頼む:あてにする。
作者
紫式部
出典
源氏物語
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