- 歌の意味
- 峰の雪も水際の氷も踏み分けて来た。道には迷わないが、あなたには心を惑わせている。
- 鑑賞
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第三部 浮舟
橘の小島を過ぎて対岸へ渡った匂宮と浮舟は、隠れ家で二日を過ごした。雪の山道を押して来た苦労を持ち出しながら詠みかけたのがこの歌である。浮舟はこれに返す。京へ帰った匂宮は、無理を重ねた疲れから病に臥せることになり、宇治への訪れはふたたび途絶えがちになっていく。
「峰の雪」「みぎはの氷」と、越えてきた難所を並べて労苦を強調する。「踏み分けて」は雪を分けて進むことで、実際の道行きをそのまま述べている。下の句は「惑ふ」を繰り返し、道には迷わないが人には惑うと言い分ける対句の形をとる。同じ語を二度用いて意味を分ける技法が、そのまま熱意を印象づける働きをしている。
峰の雪:山の上の雪。
みぎは:水際。
踏み分く:雪や草を分けて進む。
惑ふ:道に迷う。心が乱れる。
- 作者
- 紫式部
- 出典
- 源氏物語
- その他の歌