- 歌の意味
- 降り乱れて水際に凍る雪よりも、私は空の途中で消えてしまいそうだ。
- 鑑賞
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第三部 浮舟
匂宮の雪の歌に対する浮舟の返しである。水際に凍る雪よりも、自分は空の途中で消えてしまうだろうと述べる。薫と匂宮のどちらにも定まれない立場を、地に着かぬまま消える雪にたとえており、後に入水を思いつめる浮舟の姿を先取りしている。この二日の逢瀬の後、事態は急速に破局へ向かっていく。
「降り乱れ」は雪が乱れ散るさまである。「中空」は空の中ほどで、どっちつかずのまま宙に浮いた状態をいう。「消ぬべき」は消えてしまいそうだの意で、雪の消滅と我が身の死とを重ねる。相手の「みぎは」を受けながら、地に着く雪と着かない雪とを対比させており、身の置き所のなさが一語に集約されている。
降り乱る:雪が乱れて降る。
みぎは:水際。
中空:空の中ほど。どっちつかず。
消ぬ:消える。死ぬ意を含む。
- 作者
- 紫式部
- 出典
- 源氏物語
- その他の歌