- 歌の意味
- 所在なく、我が身のつらさを知らせる雨が降りやまないので、袖までもいっそう水かさが増している。
- 鑑賞
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第三部 浮舟
薫の文に対する浮舟の返しである。相手の詠んだ「水まさる」を受けて、川の水かさばかりか自分の袖の涙まで増していると述べている。訪れの絶えがちなつらさを訴える形をとりながら、実際にはどちらにも身を寄せられない苦しみが言わせた歌であり、薫はその重さに気づかないまま、京へ迎える日を四月と定めていく。
「身を知る雨」は伊勢物語の「かずかずに思ひ思はず問ひがたみ身を知る雨は降りぞまされる」を踏まえた語で、自分に対する相手の心の程度を思い知らせる雨をいう。「みかさ」は水嵩に「御笠」を響かせるとみる読みがあり、雨の縁語として働く。「つれづれと」は所在なく、もの寂しくの意である。古歌に寄りかかりながら、そこに自分の実感を託している。
つれづれ:所在ないさま。
身を知る雨:わが身の程を思い知らせる雨。
小止む:少しの間やむ。
みかさ:水嵩。「御笠」を響かせる。
- 作者
- 紫式部
- 出典
- 源氏物語
- その他の歌