あはれ知る心は人におくれねど
数ならぬ身に消えつつぞ経る
- 歌の意味
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しみじみと感じ取る心は人に劣らないけれど、物の数でもない身であるから、消え入るような思いで日を過ごしている。
- 鑑賞
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第三部 蜻蛉
浮舟を失った薫は、都で華やかな日々を送りながらも心は晴れなかった。明石の中宮に仕える小宰相の君は、才気と情のある女房として薫が心を寄せていた相手で、その悲しみを察して贈ったのがこの歌である。薫はこれに返すが、内心を明かすことはなく、以後もこの女房とは近すぎず遠すぎない交わりを続けていく。
「あはれ知る心」は物事の情趣や人の悲しみを感じ取る心をいう。「人におくれねど」は人に劣らないの意である。「数ならぬ身」は物の数にも入らない身で、女房としての立場をへりくだって言う常套句。「消えつつぞ経る」は消え入るような思いで日を過ごすことで、露や煙の縁で用いられる言い方である。分をわきまえながら心を寄せる、女房の歌の型がよく守られている。
あはれ知る:情趣や悲しみを感じ取る。
おくる:劣る。後れを取る。
数ならぬ身:物の数にも入らない身。
消ゆ:消え入る。
経る:日を過ごす。
- 作者
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紫式部
- 出典
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源氏物語
- その他の歌
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