- 歌の意味
- 女郎花の咲き乱れる野辺に混じったとしても、露に濡れたという浮ついた評判を、私が身に負うことがあろうか。
- 鑑賞
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第三部 蜻蛉
秋の夕暮れ、薫は明石の中宮のもとに参り、女房たちと戯れの言葉を交わしていた。弁の御許をはじめとする女房たちが、薫の生真面目さをからかったのに応じて詠まれたのがこの歌である。以下、四首の唱和が続く。宇治の人々を失って沈んでいた薫が、宮中の華やかな場でこうした軽い応酬を交わす姿には、かえって心の空虚さがのぞく。
「女郎花」は美しい女性のたとえで、ここでは女房たちを指す。「乱るる野辺」は花の咲き乱れる野で、多くの女のいる場を暗示する。「露のあだ名」は露に濡れたという意から、浮ついた評判をいう。「かけめや」は反語で、身に負うことはないの意である。堅物と評される薫が、自らその評判を守ってみせる詠みぶりになっている。
女郎花:オミナエシ。美しい女性のたとえ。
乱る:咲き乱れる。
あだ名:浮ついた評判。
かく:身に負う。
めや:…だろうか。反語。
- 作者
- 紫式部
- 出典
- 源氏物語
- その他の歌