- 歌の意味
- 宿を貸してくれるなら一夜くらいは泊まろう。ありふれた花に心を移すことはないとしても。
- 鑑賞
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第三部 蜻蛉
女郎花の唱和を締めくくる薫の一首である。泊まってみよという挑発を受け流しつつ、宿を貸すなら泊まってもよいと軽く応じている。だがその心は宇治で失った人々のもとにあり、この直後、薫は秋の夕暮れに独り物思いに沈んで、宇治の三姉妹の運命を思い返すことになる。
「宿貸さば」は宿を貸してくれるならの意で、相手の「旅寝して」を受けている。「一夜は寝なむ」は一晩くらいは泊まろうということ。「おほかたの花」はありふれた花で、特別な思いを寄せない相手をいう。誘いに応じるふりをしながら心は移らないと言い切っており、戯れの場でも一線を引く薫の姿勢がここでも保たれている。
宿貸す:宿を貸す。
一夜:ひとばん。
おほかた:ありふれた。並みの。
移る:心変わりする。
- 作者
- 紫式部
- 出典
- 源氏物語
- その他の歌