- 歌の意味
- 秋の野の露を分けて来た狩衣の濡れようを、葎の茂るこの宿のせいにしないでほしい。
- 鑑賞
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第三部 手習
中将の松虫の歌に対する妹尼の返しである。露に濡れたのはこちらのせいではないと、軽くいなしている。この日、中将は夜まで山荘に留まり、妹尼が引き止めての贈答が続く。母尼が琴を弾き、中将が笛を吹くという、荒れた山里には似合わぬ音楽の夜となった。
「露分け来たる狩衣」は野の露を分けて来て濡れた狩衣で、相手の「露に惑ひぬ」を受けている。「葎茂れる宿」は雑草の生い茂った荒れた住まいで、山荘を卑下していう。「かこつ」は人のせいにする、言いがかりをつけるの意である。恋の嘆きを住まいのせいにするなという言い方で、求婚をかわしている。
露分く:露を分けて進む。
狩衣:平安貴族の平服。
葎:生い茂るつる草。
かこつ:人のせいにする。
- 作者
- 紫式部
- 出典
- 源氏物語
- その他の歌