- 歌の意味
- 忘れられない昔のことも、笛の竹の節のようなつらい折々にも、声を上げて泣いてしまった。
- 鑑賞
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第三部 手習
一夜を明かした翌朝、中将が山荘へ贈ってきた歌である。前夜に自ら吹いた笛にかこつけて、亡き妻を偲ぶ心と、応じてくれぬ浮舟へのつらさとを重ねて述べている。妹尼がこれに返すが、浮舟は依然として口を開かない。中将の通いはこののちも続き、九月に浮舟が出家するまで途切れなかった。
「笛竹」は笛の材である竹で、「ふし」に竹の節と、つらい折の意を掛ける。「音ぞ泣かれける」は声を上げて泣いてしまったの意で、「音」は笛の音にも通じる。前夜の管絃をそのまま歌の材に取り込む手際がよい。亡き妻への追慕を口実にしながら、実際には浮舟への思いを訴えている点が、この人物らしい。
忘らる:忘れられる。
笛竹:笛の材の竹。
ふし:竹の節。つらい折。
音を泣く:声を上げて泣く。
- 作者
- 紫式部
- 出典
- 源氏物語
- その他の歌