- 歌の意味
- これで最後だと思い定めたこの世を、繰り返し繰り返し背いてしまったことだ。
- 鑑賞
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第三部 手習
出家した浮舟が、前の一首に続けて手習に書きつけた歌である。あの夜に終わりと決めたはずの生が、こうして続き、また世を捨て直すことになったという感慨が述べられている。尼となった浮舟はようやく心が静まり、以後は少将の尼らと穏やかに日を送るが、中将からの便りはなお絶えなかった。
「限りぞ」はこれが最後だという意で、宇治で入水を決めた夜を指す。「思ひなる」は思い定める、そう思うようになるの意である。「返す返すも」は繰り返しの意で、二度にわたって世を捨てた事実を言う。前の一首と同じ主題を、言葉を変えて重ねており、二首を並べることで思いの深さが示されている。
限り:終わり。最後。
思ひなる:思い定める。
返す返す:繰り返し。重ね重ね。
背く:世を捨てる。出家する。
- 作者
- 紫式部
- 出典
- 源氏物語
- その他の歌