- 歌の意味
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春の夜の夢の浮橋が途切れて、峰から離れていく横雲の空よ。
- 鑑賞
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巻第一 春歌上 38
詞書「守覚法親王五十首歌よませ侍りけるに」
前歌と結句を同じくし、対をなして置かれる。ただしこちらは実景から入らず、夢が途切れるという内面の出来事から始まる。詞書によれば守覚法親王が詠ませた五十首歌の一つである。
作者の「藤原定家朝臣」は藤原定家(一一六二〜一二四一)である。藤原俊成の子で、『新古今和歌集』の撰者の一人。『小倉百人一首』の撰者とされ、『源氏物語』などの古典の書写
校訂にも力を尽くした。守覚法親王(一一五〇〜一二〇二)は後白河天皇の皇子で、仁和寺の御室を務めた。
場面は春の夜明け、場所は峰を望むところである。
直接の契機は五十首歌の詠進である。
『新古今和歌集』を代表する一首として広く知られ、後世の注釈や歌論でくり返し取り上げられた。
初句
二句「春の夜の夢の浮橋」は、春の夜に見る夢を浮橋に喩えたものである。「浮橋」は舟を並べて渡した仮の橋で、不安定ではかないものをいう。『源氏物語』の最終巻の巻名でもあり、その連想を伴う。
三句「とだえして」は、途中で切れる意である。橋が途切れるという語が、夢が覚めることと重ねられている。
四句「峰に別るる」は、雲が山の峰から離れていくさまをいう。前歌が波から離れる雲を詠んだのに対し、こちらは峰から離れる雲である。
結句「横雲の空」は体言止めで、前歌と同じ結びである。夢が切れることと、雲が峰から離れることとが、同じ「離れる」という動きによって重ねられ、内面の出来事が外の景に移し替えられている。
夢と橋と雲という、いずれも形の定まらないものを重ねて一首を組み立てており、輪郭のはっきりしない情景そのものが主題となっている。
うきはし:舟を並べて渡した仮の橋。不安定ではかないもののたとえ
とだえす:途中で切れる。とぎれる
- 作者
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藤原定家
- 出典
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新古今和歌集
- その他の歌
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