- 歌の意味
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知っているだろうか、いや知るまい。霞の空を眺めながら、花も咲かない春を嘆いていると。
- 鑑賞
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巻第一 春歌上 39
詞書「きさらぎまで梅の花咲き侍らざりける年よみ侍りける」
霞の一連から梅の一連へ移る位置に置かれる。詞書によれば、二月になっても梅が咲かなかった年に詠まれた歌である。花の咲かない春を嘆く気持ちを、誰かに向けて訴える形で詠む。
作者の中務(生没年未詳)は宇多天皇の皇子である敦慶親王の娘で、母は歌人の伊勢である。父が中務卿であったことからこの呼び名がある。三十六歌仙の一人に数えられる。
場面は二月、梅の咲くはずの時期である。場所は特定されない。
直接の契機は、梅が咲かないまま二月になったという実際の出来事である。
初句「知るらめや」の「らめ」は現在推量の助動詞「らむ」の已然形、「や」は反語の係助詞である。知っているだろうか、いや知るまい、という意になる。誰が知らないのかは明示されないが、思いを寄せる相手が想定されている。
二句
三句「霞の空を眺めつつ」は、霞ばかりの空をぼんやりと見続けているさまである。「つつ」は継続を表す。
四句「花も匂はぬ」の「も」は、花までも、の含みをもつ。霞は立っているのに花がない、という不足が示される。
結句「春を嘆くと」の「と」は引用で、初句の「知るらめや」に係る倒置になっている。嘆いていることを相手は知るまい、という文意が、句をまたいで完成する。
ここまでの一連が霞そのものを賞美してきたのに対し、この歌では霞が花の不在を際立たせる背景として働いており、次の梅の一連への橋渡しになっている。
らめ:現在推量の助動詞「らむ」の已然形
にほふ:色や香りが美しく立つ。ここでは花が咲く
- 作者
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中務
- 出典
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新古今和歌集
- その他の歌
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