- 歌の意味
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大空は梅の香に霞み続けて、曇りきることのない春の夜の月よ。
- 鑑賞
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巻第一 春歌上 40
詞書「守覚法親王家五十首歌に」
ここから梅を主題とする一連が始まる。この歌は梅の香が空を霞ませるという捉え方をとり、その霞の中の朧月を詠む。詞書によれば第三十八首と同じ、守覚法親王家の五十首歌の一つである。
作者の藤原定家は第三十八首の作者と同じで、本巻ではこれが二度目の登場となる。
場面は春の夜、場所は特定されない。
直接の契機は五十首歌の詠進である。
初句
二句「大空は梅の匂ひに」は、大空が梅の香によって、という因果の言い方である。香りという地上のわずかなものが、空全体を覆うという誇張がここに置かれている。
三句「霞みつつ」の「つつ」は継続を表し、霞み続けている状態を示す。
四句「曇りも果てぬ」の「果つ」は、すっかり〜しきる意で、「ぬ」は打消の助動詞である。曇りきってはいない、つまり月はなお見えている、ということになる。第二十三首の良経歌の「霞みもやらず」と同じ、不完全な状態を捉える言い方である。
結句「春の夜の月」は体言止めで、第二十三首と同じ結句である。ただし良経の歌が霞まぬ月を詠んだのに対し、この歌は霞んでなお消えきらない月を詠んでおり、同じ結句で反対の側から朧月を扱っている。
視覚である霞と、嗅覚である香りとを結び付け、さらにそこへ月の光を重ねる構成で、感覚の混じり合いが一首の中心にある。
はつ:すっかり〜しきる。終わりまで至る
にほひ:香り。またつややかな色
- 作者
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藤原定家
- 出典
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新古今和歌集
- その他の歌
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