訪めこかし梅盛りなる我が宿を
疎きも人は折にこそよれ
- 歌の意味
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訪ねて来てほしい、梅の盛りである我が家を。疎遠であるかどうかも、人は時機によるものなのだから。
- 鑑賞
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巻第一 春歌上 51
詞書「題しらず」
梅の一連の後半に置かれ、咲いた梅を人に見せたいという心を詠む。第四十二首が他人の垣根の梅を訪ねる側の歌であったのに対し、この歌は訪ねられる側から詠まれており、対をなす。詞書は「題しらず」で、詠作の事情は伝わっていない。
作者の西行法師は本巻では第七首
第二十七首に続く三度目の登場となる。
場面は梅の盛りのころ、場所は作者の住まいである。
詠まれた直接の契機は伝わらない。
初句「訪めこかし」の「こかし」は願望を表す終助詞で、来てほしいものだ、の意である。呼びかけから歌が始まる。
二句
三句「梅盛りなる我が宿を」は、その理由を示す部分である。梅が盛りであるという一事だけが、人を招く根拠として置かれる。
四句「疎きも人は」は、疎遠であることも、の意である。ふだん行き来のない間柄であることを、あらかじめ認めている。
結句「折にこそよれ」の「こそ」は係助詞で、「よれ」は動詞「よる」の已然形が結びとなる。時機次第である、というのが結論であり、疎遠でも今なら来てよい、という誘いになる。
出家して人との交わりを絶った身でありながら、花を見せたいために人を呼ぶという矛盾がこの歌の面白さである。第二十七首で雪解けの川を詠んだのと同じ作者が、ここでは人恋しさに近い心を見せている。
こかし:願望を表す終助詞。〜してほしい
うとし:疎遠である。親しくない
をり:時機。ちょうどよい折
- 作者
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西行法師
- 出典
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新古今和歌集
- その他の歌
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