桜花咲かば先づ見んと思ふ間に
日数経にけり春の山里
- 歌の意味
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桜の花が咲いたら真っ先に見ようと思っているうちに、日数が過ぎてしまった。春の山里よ。
- 鑑賞
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巻第一 春歌上 80
詞書「白河院鳥羽におはしましける時人々山家待花といへる心をよみ侍りけるに」
桜の一連の二首目で、花を待つ心を詠む。詞書の「山家待花」は、山の家で花を待つ、の意である。白河院が鳥羽の離宮にいた折、人々がこの題で詠んだうちの一首である。
作者の藤原隆時は平安時代後期の歌人である。
場面は桜の咲く前の春、場所は山里である。
直接の契機は「山家待花」の題による詠である。白河院(一〇五三〜一一二九)は譲位後、鳥羽に離宮を営み、そこでたびたび催しを行った。
初句
二句「桜花咲かば先づ見んと」の「ば」は仮定条件、「ん」は意志の助動詞で、咲いたらまず見ようと、の意になる。
三句「思ふ間に」は、そう思っているうちに、の意である。ここで心づもりと現実のずれが示される。
四句「日数経にけり」の「けり」は詠嘆で、日が過ぎてしまったことへの気づきを表す。待つあいだの時間が、意識しないまま過ぎていったことになる。
結句「春の山里」は体言止めである。場所を最後に据えることで、その山里に一人待ち続けていた情景が浮かぶ。
前歌が花の遅い年を天候の側から詠んだのに対し、この歌は待つ人の側の時間を詠む。二首が花の来ない春を外と内から扱っており、対をなしている。
まづ:真っ先に。何よりも先に
ひかず:日の数。過ぎた日々
やまざと:山あいの里
- 作者
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藤原隆時
- 出典
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新古今和歌集
- その他の歌
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