思ふどちそこともしらず行き暮れぬ
花の宿貸せ野辺の鴬
- 歌の意味
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気の合う者どうしで、どこともわからぬまま歩き暮れてしまった。花の宿を貸してくれ、野辺の鴬よ。
- 鑑賞
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巻第一 春歌上 82
詞書「摂政太政大臣家百首歌合に野遊のこゝろを」
桜の一連の四首目で、野に遊ぶ心を詠む。詞書の「野遊」は野に出て遊ぶことである。良経の家で催された百首歌合の詠で、第二十三首
第三十七首
第五十八首と同じ催しである。
作者の藤原家隆は本巻では第十七首
第三十七首
第四十五首に続く四度目の登場となる。
場面は春の日暮れ、場所は花の咲く野辺である。
直接の契機は「野遊」の題による詠である。
初句「思ふどち」は、気心の合う者どうし、の意である。一人ではなく連れ立っている設定が最初に示される。
二句「そこともしらず」は、どこであるかもわからず、の意で、道に迷ったというより、遊び歩いて場所を意識しなくなった状態である。
三句「行き暮れぬ」は、歩いているうちに日が暮れた、の意である。
四句「花の宿貸せ」は命令形による呼びかけで、花の下を一夜の宿として貸せ、と求めている。
結句「野辺の鴬」は体言止めで、呼びかけの相手が最後に置かれる倒置である。鴬を野の主のように扱い、その許しを求める形をとる。第十七首で家隆は春の山風に鴬を誘えと命じたが、ここでは鴬そのものに向かって頼んでおり、同じ作者が同じ鳥を相手に立場を変えている。
おもふどち:気心の合う者どうし
ゆきくる:歩いているうちに日が暮れる
- 作者
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藤原家隆
- 出典
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新古今和歌集
- その他の歌
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